ダサいロックバンドが愛おしい話
最近は、日本のバンド音楽もかなりおしゃれなものが多くなった気がする。そういったものも一通り聴いてきたし、とてもかっこいいと思うし、それは間違いないのだけど、一方で私が本当に愛おしいと思うのは「ダサい」ロックバンドだったりもする。 そんなバンドをいくつか紹介したいと思う。なお、この記事での「ダサい」というのは心からの共感と賛辞をこめての表現なので、ここにあなたの好きなバンドの名前をあげることについて怒らないでほしい。私もそのバンドのことが好きなのです。 ここに書くバンドはどれも完成度は高いし、こだわりをもって自分たちなりのスタイルで音楽を楽しんでいる。媚びない彼らの「ダサさ」がそれすなわち彼らのかっこよさでもあり、私はそんな音楽に勇気をもらうことが多い。もう一度書くが、この記事でのダサいはかなり好意的な表現であることを理解してほしい。ダサいというのはすごく失礼な表現だとわかっているのだけど、悪い意味でダサいと思っている音楽は耐え切れず途中で投げ出してしまう。 最初に紹介したいバンドが、この記事を書こうと思ったきっかけでもある。その名も「みそっかす(メジャー時代の表記はミソッカス)」。 名古屋出身の、たぶん8年前くらいから大好きなバンド。何がいいって、ゴリゴリに詰め込むそのスタイル。昔バンドでベースを弾いていたから、音楽を聴くときはベースで聴くことが多いのだが、このバンドの曲はどれも、ベースが我を出しまくっているのがすごくいい。ベースが我を出しまくっているバンドに悪いバンドはない、というのが私の持論。 ボーカルの声質、キーボードの音色、ゴリゴリのリズム隊、このバランスがとてもすばらしくダサくてかっこいい。一度聴いてから病みつきになる感覚がたまらない。 「名古屋メシバンド」という言葉が彼らを形容する最高の言葉だと、かねてから私は考えている。味噌カツを厳粛な料亭や高級なレストランで食べたいとは思わない。だけどすごくおいしくて、何度も食べたくなる。そんなバンド。こんなにしっくりくる形容詞はないんじゃないかとすごく気に入っているのだが、残念ながら公表する機会もなかった。なのでしたり顔でここに記しておこうと思う。 とにかく、このバンドはすばらしい。なのだけど、ここ1年くらいちゃんと聴いていなかった。情報も集めていなかった。なんとなく音楽を幅広く楽しむ余裕がなか...