「音楽」を観た

 こんにちは、RTです。

私が住んでいる茨城県の緊急事態宣言が解除され、映画館が再開した。私は映画も好きだし、映画館も好きだ。

20歳くらいの頃は、現実からの逃避先としてよく映画館を使っていた。映画館にいる間は、誰かからのメールや電話も受けとる必要はないし、情けない自分自身の生活に目を向ける必要がない。2時間前後の逃避行は、私の人生に不可欠だった。

そんなこともあって、定期的に映画館に行きたい欲求に駆られる。新しい生活様式とはいえ、多少自由な行動が許されるようになったので映画館に行きたくなり、近辺の映画館で上映されている作品を調べてみた。

そうしたら、となり街の映画館でアニメーション映画「音楽」が放映されているのがわかり、県内なのでいいだろうと観に来てみた。


この「音楽」という作品は漫画原作で、今年の1月に公開された。私も、記録を見返したら1/12に新宿で鑑賞していた。今回これを選んだ理由としては、作品自体すごく良かったという記憶もあったし、また、郊外のショッピングセンター内の映画館にしては、(自粛後でおそらく放映するものはなかったとはいえ、)渋めのチョイスにうれしくなったというのもある。

それで、作品についてだが、2回目にこの映画を観て改めて思ったのは、抜け目なく面白かったということ。登場人物の会話の間もいいし、テンションもちょうどいい。それでいて、主役の不良3人組が初めて音を鳴らしたときの、何とも言えない高揚感は、かつてバンドをやっていた自分としても、身に覚えのあるものだった。

その、最初の楽器を鳴らすシーンがすごく好きだ。何ともない話の流れでバンドをやろうと言い出す主人公、それを受けて不良3人組は音楽室から楽器を盗んで主人公宅で音を出すのだが、そのチョイスが結果的にベース×2、スネア、フロアタムのみというなかなかのチョイス。それで、何もわからず家で音を出して「これ、やばいね」と。

なんて純粋なロックンロールなんだろう。まあ、盗んでやるなよとは思ったけど。でも、なんかこう、8ビートの簡単なフレーズの練習を始めるよりも前の、人生で初めて楽器を抱えて、それを鳴らして、それが音楽になったときの、その感動を思い出した。

何といえばいいんだろう。

果てしない感動と言っても大袈裟じゃないし、世界の創造主になったと言っても、そんなに大袈裟じゃない気がする。いや、大袈裟か。Cを鳴らしてGを鳴らして、Emを鳴らして、、、それで音楽が出来上がる。なんて素晴らしいんだろう。

最終的に主人公が選んだ楽器のチョイスもまた面白いし、なんか、高校生特有の気だるさみたいな空気もいいし、ラストシーンの演奏は普通にかっこいい。とにかくいい映画だった。森田さん好き。

エンディングは私の敬愛するドレスコーズ志磨遼平の書き下ろし「ピーター・アイヴァース」。エンドロールの最後まで、一貫していい空気感。

ピーター・アイヴァースは貼れる映像がなかったので、代わりにアニメ×ドレスコーズということで、大好きな曲「アニメみたいな」を貼っておきます。


ああ、偶然にもまた観れたことがうれしい。


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